研究室の使命
当研究室は、電気工学の切り口から安心安全で豊かな低炭素社会を目指すことをその使命としています。
松橋研究室では、四半世紀にわたり、電力システムを含むトータルエネルギーシステムと地球温暖化対策の研究、およびエネルギー政策に関わる多様な研究をおこなってきました。エネルギーは我々の生活に欠かせないものであり、その供給安定性、経済性、環境性に加えて安全性が重視されています。
近年では、電力、ガスなどエネルギーの小売自由化と発送電分離や導管分離等の制度改革と共に、情報技術を利用したスマートグリッド関連の新しい技術シーズが生まれています。一方では、CO2をはじめとする温室効果ガス排出量の削減や東日本大震災後のエネルギーの供給安定性、経済性の確保が重要な問題となっています。そこで、これらのシーズとニーズをふまえた新しい研究を、豊かで安心安全な社会を実現するための、エネルギーシステムの革新につなげていく必要があります。
現在は、エネルギーシステムのイノベーションを推進する新しい事業体(GPM;グリーンパワーモデレータ)の創成に関する研究、再生可能エネルギーの導入拡大を考慮した電源構成モデルの開発、限定合理性を考慮した新しいエネルギー経済モデルの構築等多様な研究を進めています。
専門知識と包括的視点の融合
松橋研究室は、1999年より新領域創成科学研究科環境システム学専攻において、持続可能な社会システム、低炭素社会の実現を目的とした人間の社会・経済活動の把握、地域・地球環境 への影響評価、及びこれらに必要な分析・統合手法など多岐にわたる研究を行ってきました。
2011年に工学系研究科電気系工学専攻に籍を移して以降も、経済社会への影響や省エネ施策に対する消費者の挙動といった包括的視野を保持した上で、社会の低炭素化実現にあたって生じる電気工学ならではの専門的な諸課題に取り組む研究を行っています。
震災後の電源計画、計画停電への対応など、「今・ここ」にある問題に柔軟・迅速に対応しているのも当研究室の特徴です。